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2015年10月21日 (水)

密焼鰻魚

150831 今日は秋の土用の入りです。土用とは五行説からきた言葉で、春は「木」、夏は「火」、秋は「金」、冬は「水」で、「土」用は各季節の間に年4回訪れます。簡単にいえば季節の変わり目ですが、臓腑でいえば脾胃(胃腸)に相当し、季節の変わり目に体調を崩しやすいというのは胃腸が弱い人の特徴でもあります。

 胃腸が弱いと季節の変わり目に体調を崩しやすくなるというのは、胃腸虚弱=気のエネルギーの不足で、気(専門的には衛気)は体温調節を行うとともに、皮膚や粘膜を守るバリアのような存在で、胃腸が弱い人は環境の温度変化に影響を受けやすいという理屈になります。

 さて、写真は土用につきものの鰻を中華風(広東風)に蜂蜜を塗って焼いたものです。昔から鰻はスタミナがつくと考えられてきましたが、なんせマリアナ海溝で孵化して5000km以上の距離を泳いで日本にやってくるくらいですので、細身ながらパワフルな生き物といえます。因みに、薬膳的な効能も補虚益気とされています。

 ところで、鰻に限らず、渡り鳥などが何千キロも離れた目的地にどうやって正確にたどり着くのかという研究があります。鳥の場合は、体内にコンパスのようなものを持っているとする説が唱えられてきましたが、近年の研究によると南北を指し示すようなコンパスではなく、地磁気が地面に対してとる角度を計測する伏角コンパスのようなものを持っており、そのコンパスの動作原理に“量子もつれ”が関与しているそうです。魚に関しては、嗅覚が鍵を握っており、海中に含まれる僅かな分子の臭いをかぎ分けて目的地まで移動するようです。また、嗅覚の発現には量子トンネル効果が関わっているようです。

 

 

2015年10月20日 (火)

牡蠣とカボチャの揚げもの

150731 おおぶりの牡蠣とカボチャを揚げたものに金沙粉というパン粉とニンニクなどの香辛料を合わせて揚げたものが振りかけられています。

 さて、カボチャはビタミンAや食物繊維が豊富で、ビタミンAは胃の防御因子である粘液の生成に欠かせないビタミンですし、食物繊維は整腸作用などが期待できます。

 薬膳的な効能も健脾益気作用で、胃腸の機能を高めて気力を増す作用があるとされています。ちなみに胃腸(五臓六腑の脾胃)は気力の発生源とされています。因みに、気力を増すといわれても何となく元気になるイメージですが、漢方では気の作用として人体の生理機能を円滑に推し進めたり、生体の防御作用、すなわち免疫力でもあり、更には体温を調整したり、尿や血液がみだりにもれなくする作用などがあるとされています。

 また、“脾は後天の本”という原則があり、どんな病気や不調でも胃腸機能が低下していれば、まず胃腸機能を高める必要があるとされ、反対にいうと胃腸機能低下は万病の元でもあります。さらにいえば、薬膳という考え方の根本は季節や体質に応じ、いかに胃腸機能を調えるのかが大事とされています。

 現代栄養学的には、食べもののカロリーや栄養素から考えますが、漢方的に考えると粗食であっても胃腸機能が充実している方が、胃腸機能が低下した状態で栄養豊富な食事を摂るよりは健康的であると考えます。

 

2015年10月15日 (木)

江津肉片

150831 江津とは四川省重慶市内にある地名で、清朝末期に考案された料理です。日本では重慶式酢豚とも呼ばれていますが、四川料理だけに普通の酢豚よりも辛味が強いのが特徴です。

 重慶は、“中国三大火炉”のひとつに数えられ、夏は40度近くまで温度が上がりますが、気温だけでなく湿度も高くなることから、発汗作用で体温を下げるのと、湿気を発散させる辛い料理が好まれます。

 唐辛子自体の薬膳的効能としては、適量では、おなかの冷えをとる温中散寒作用や、胃腸を丈夫にして消化を促進する健胃消食等とされていますが、大量に使った場合は健胃作用よりも発散作用が主になります(胃にはむしろマイナス)。

 また、湿気は気の巡りを邪魔しますが、精神的なストレスによって気の巡りが悪くなっても、無意識に発散作用のある辛いものを求める傾向があり、辛いものがすごく食べたくなったときはストレスがたまっていることが多いものです。

 

 

2015年10月13日 (火)

星州ラクサ

150831 星州とはシンガポールのことで、ラクサとはマレーシアなど東南アジアで食べられている麺料理で、ココナッツミルクやターメリックなどの香辛料を使ったエスニック料理です。

 もともとは東南アジアの華僑系の屋台料理とされており、地域により様々なバリエーションがあるようです。

 さて、巷ではココナッツオイルがブームですが、ココナッツオイルとはココナッツミルクと呼ばれる部分に含まれる油性成分であり、ココナッツミルクにも中鎖脂肪酸などの健康成分は含まれています。さらに、ミネラルやビタミンEなど抗酸化作用のある成分も豊富に含まれています。

 また、カレー粉の原料でもあるターメリックとはウコンのことで、日本でも昔からたくわん漬けの黄色の元に使われてきました。生薬としても利用され、おなかを温めて気の巡りを良くする薬効があるとされています。

 東南アジアは湿度が高く、“脾は湿を嫌う”とされ胃腸機能が低下しやすい上に、冷たいものを摂りがちでおなかが冷えやすいことからターメリックをはじめ香辛料のきいた味が薬膳的にも理にかなっていると思われます。

 

 

2015年10月10日 (土)

清蒸石斑魚

150831 広東料理を代表する一品、キジハタの蒸しものです。

 魚を蒸してから白髪葱や生姜の細切りをのせて熱い油を振りかけ、醤油ベースのたれをかけたものです。

 極めてシンプルな料理ですが、魚の鮮度と、身が生でもなくかたくもなくという絶妙な蒸し時間が要求される料理です。

 キジハタなどハタの類の薬膳的な効能としては、高タンパクかつフィッシュコラーゲンが豊富で、益気健脾作用(からだを元気にする作用)があり、お肌の美容にも良いとされています。

 

2015年10月 8日 (木)

青椒欖角魷魚

150731_2 青椒(チンジャオ)とはピーマンのことで、欖角とは橄欖(かんらん)というインドシナ半島原産の木の実を乾燥させたもので、魷魚はイカのことです。
 
 橄欖は日本にも江戸末期に移入され、オリーブのように実を生食したり種から油を絞ったりされていました。写真の黒く見えるものが橄欖を刻んだものです(実際に味もオリーブの実のような感じです)。
 
 欖角はビタミンCが豊富で、薬膳的な効能は生津止渇などで、乾燥性の咽の痛みなどによいとされています。
 
 さて、秋らしくなって空気が乾燥してくると、五臓の肺がダメージを受けやすくなります。五臓の肺は呼吸に関わる皮膚や鼻、のども含み、これらが乾燥してくることで肌荒れや鼻炎、空咳などの症状が発生しやすくなります。特にのどの粘膜の乾燥は、ちょっとしたホコリなどにも反応して咳が出やすくなりますが、咳は気管支から猛スピードで空気が流れてきて更にのどの粘膜がダメージを受けてしまい、このことが更に咳が出やすくなって・・・という悪循環に陥りがちです。
 
 このようなケースでは、西洋薬の咳止めは殆ど効果がなく、のどの粘膜を潤す作用のある潤肺糖漿という漢方のシロップ剤が有効です。特にカゼを引いた後、空咳だけがいつまでも
残るようなケースでも速効性があります。 
 
 
 
 
 

 

2015年10月 7日 (水)

脳花麻婆豆腐

150731 一見、普通の麻婆豆腐ですが、豆腐だけでなく羊の脳が入ってます。

 羊や豚の脳みそは火鍋の具材などにも使われますが、食感としては柔らかい絹ごし豆腐や魚の白子のような感じです。もともと新鮮な状態でないと使えない部位ですので、臭みもありません。

 さて、日本人にはグロテスクにも思える“脳みそ”ですが、薬膳的な発想からすると、脳は“髄海”といって髄の集まりであり、髄は生命の根源物質ともいえる“精”から生じるものなので、正に“精のつく食べ物”ということになります。

 特に“冬令進補”といいますが、寒くなる冬の時期には精を補う食材を積極的に摂るとよいとされています。これは、人体の熱エネルギーの源泉である“命門の火”が、精を燃料として燃えているようなものだからです。人間は恒温動物ですので、気温が低下するとともに命門の火の元になる精を多く含む食材や生薬(代表的なものに鹿茸)を補うという発想です。

 現代社会では冬でも暖房が行き届いていて、つい夏と同じように冷たいものを平気で摂りがちですが、気温が下がってくるとすぐにカゼを引くというような方は、せめて温かいものだけを口にするように心がけるだけでも体調がよくなるはずです。

 

 

 

2015年8月18日 (火)

南乳涼瓜排骨

150731 南乳とは腐乳の別称で、豆腐を塩水の中で麹菌で発酵させたものです。沖縄の豆腐ようも同じ系統のもので、麹菌の種類により写真のような紅色や白いもの等がありますが、肉料理には基本的に紅色のものが使われます。

 暑い時期は食べ物の腐敗もすすみやすい上に、冷たい飲み物などでおなかが冷やされ、腸内環境が乱れやすくなります。腸内環境の乱れは栄養代謝だけでなく水分代謝や免疫力の低下の原因ともなりますが、発酵食品は腸内細菌バランスをよくして腸内環境を整えてくれますので、暑い時期には発酵食品を多めに摂ることが大事です。

 涼瓜とは見ての通り苦瓜のことで、苦味は余分な熱をさます働きがあることから酷暑の時期にはふさわしい食材です。科学的にも活性酸素を除去する成分が豊富に含まれていることがわかっています。

 

 

2015年8月 7日 (金)

天然鰻と季節野菜の炒めもの

150731 街のうなぎ屋さんが活気づく土用ですが、土用とは立春、立夏、立秋、立冬の前の18日前後(春夏秋冬の最後の18日前後)を指し、1年に4回あります。

 土用の土は五行説の木、火、土、金、水からきていますが、五臓でいえば土は脾、すなわち胃腸に相当します。よって、季節の変わり目に体調を崩しやすい方は胃腸機能が弱いことが多く、また、湿気は胃腸機能を低下させますので、夏の土用は特に胃腸の弱い方にとっては要注意の季節となります。

 こういったことを背景に、夏というよりは(夏の)土用にうなぎを食べて元気になろうという風習が江戸時代に根付いたものと思われます。因みに、うなぎの薬膳的な効能は補虚養血、去湿などで湿度が高く食欲も低下しがちな夏には適した食材といえます。

 因みに、うなぎの蒲焼きの“蒲”とはガマという植物のことで、茎の上にガマの穂とよばれる円柱状の穂をつけますが、その形状がうなぎを丸ごと串刺しにした形に似ていることから蒲焼きとよばれるようになりました(昔は、うなぎをさばかずに串刺しにして焼いて食べていた)。

 また、ガマの穂は黄色い花粉をつけ、この花粉を蒲黄とよび止血作用があるほか、生理痛などにもに効くとされています。

 

  

2015年8月 4日 (火)

什錦拌金絲瓜

150731_2 金絲瓜(きんしうり)とは名前の通り、淡い黄色の実の部分が糸状にほぐれるもので、瓜というよりもズッキーニなどに近いペポカボチャの一種です(植物的にはかぼちゃもウリ科の植物)。そうめんかぼちゃとも呼ばれ、日本には19世紀に中国から渡ってきたそうで岡山県などで栽培されています。

 中華料理ではスープの浮き実としても使われますが、写真はあっさりとした和えもの仕立てになっています。

 金絲瓜の薬膳的な効能は清熱化痰とされていますが、抗酸化作用に優れたβーカロテンを豊富に含むほか、ビタミンCやEも多く含むことから紫外線にさらされる季節にはお勧めの食材です。