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2010年3月17日 (水)

五香羊排骨

100224  北海道産の羊の骨付きばら肉(=排骨:パイグゥ)の香り炒めです(一度香辛料と共に茹でてから炒めてあります)。葉っぱが見えますが、月桂樹の葉で、一緒に炒められています。

 中国では数千年前から家畜として利用されていますが、北海道で羊が飼われるようになったのは明治になってから、それも食用のためではなく、羊毛を得る目的だったそうです。

 日本ではあまり食べられない羊肉ですが、中国ではイスラム教徒(回族)や気候的に寒い北方、あるいはシルクロードに沿った地域などではポピュラーな食材です。ただ、どうしても臭みが強いため、香辛料が多用されます。

 薬膳的な効能としては身体(胃腸)を温める作用が強く、冷え症の方や産後の女性に特に良いとされています。特に婦人の宝とも称される当帰(とうき)という生薬と生姜と羊肉を煮たスープは当帰生姜羊肉湯と言って貧血、冷え症気味の女性の腹痛や冷えをとる事で有名です。

 

 

 

 

2010年3月15日 (月)

3種の根菜の蒸しもの

100224  ニンジン、ダイコン、サトイモの3種類の根菜にそれぞれ、銀杏(ぎんなん)、貝柱、鹹蛋(シェンダン:塩漬けのアヒルの卵)が組み合わされています。

 栄養学的に言えばダイコンは消化を助けるジアスターゼ、ニンジンはβーカロテンという事になりますが、中国語ではダイコンは蘿葡(ルォポ)、ニンジンは紅蘿葡(ホンルォポ)となり、薬膳的な効用としても共に胃腸の働きを良くすることとなっています。ついでに言えばサトイモも胃腸を丈夫にする作用があるとされています。

  胃腸は湿気と寒さに弱いので、寒い時期にはどうしても胃腸の働きが弱くなります。よって根菜類を中心とした冬野菜は基本的に胃腸の働きを良くしてくれますし、栄養物の取り込みだけでなく、食べものから取り込まれる「気」のエネルギーも増大し、結果的に体を温める作用があります(日本でも昔から根菜類は体をあたためると言われています)。

 最近は低体温の問題が取りざたされ、ショウガがもてはやされていますが、ショウガは「薬味」であって(日本では漢方生薬としてショウガを乾燥したものを用いますが、中国では生のままで生薬として利用されています)、即効性の点では優れていますが、もう一歩進んで日頃口にする食べものに気を配る方が無理なくからだを温めることができると思います。

 

 

 

2010年3月11日 (木)

アンコウの酸辣湯麺

100224  “酸辣湯(スワンラータン)”とは、酢の酸味と唐辛子または胡椒の辛味を効かせたさっぱり味のスープのことです(山東料理では胡椒、四川系ではもちろん唐辛子が使われます)。基本的に片栗粉でとろみをつけたスープで、写真はアンコウ(鮟鱇)と木耳(きくらげ)が具に使われた麺仕立てとなっています。

 最近は、低脂肪でぷるっぷるっのゼラチン質ということから美容に良い食材としても人気のアンコウは、フグなんかと違って深海魚で、昔は食べられていなかったのではないかと思って調べてみたところ、1830年に江戸にアンコウ鍋の専門店ができていたそうで、案外古くから食べられていたようです。また、西日本よりも東京を中心に東日本で好まれているというイメージが強いですが、漁獲量が一番多いのはフグで有名な下関港だそうです。

 中国語でもアンコウは“安鱇魚”で、もともとあまり食べられていなかったと思いますが、フカヒレにせよスッポンにせよゼラチン質の食材には老化予防効果があるとされていますし、俗にアンキモと呼ばれる肝(きも)は特に「肝の季節」とされる春の季節には好ましい食材といえます。

 更に、薬膳的に見た場合、適度な酸味は肝の働きを良くするとされていますし、辛味は発散作用があって気の巡りを良くする作用もあり、気の流れが滞りがちな春に酸辣湯はぴったりです。

 

 

2010年3月 9日 (火)

烏魚蛋湯

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 “烏魚蛋”とはイカの卵のことで、写真ではわかりづらいですが、真っ白で直径2~3cmくらいのソフトコンタクトレンズのような形をしています(台湾では烏魚蛋は“からすみ”の事を指します)。

 生の状態では無色透明だそうですが、食材として流通するのは塩漬けされたものが一般的で、白くて半透明状になります。

 イカの卵自体の味としてはあっさりしたものですが、最大の特徴は他に例を見ないほどの滑らかな食感で、このスープが山東料理の名菜の一つとされるだけのことはあると思います。

 さて、イカと言えば、日本人の魚介類の消費量の中でもトップで(因みに、イカ、マグロ、サケがベスト3です)、世界的に見て最もイカ好きな国民といえると思います。イカは見た目以上に消化に負担のかからない食材で、ビタミンなども豊富に含まれていますので、胃腸が弱い日本人にとって適した食材だと思います。

 また、漢方薬の世界ではコウイカの甲骨を乾燥させたものを烏賊骨(うぞくこつ)と呼び、胃潰瘍の痛みや不正出血などに効果があるとされています。

 

 

2010年3月 8日 (月)

徳島~ラーメン東大

Hi3e0001  昨日は、数年ぶりに徳島に行ってきました。

 写真は、徳島ラーメンの名店、ラーメン界の東大こと、その名もラーメン東大さんの徳島ラーメンです。

 豚骨を長時間煮込んだスープに豚バラ肉の醤油煮込みがトッピングされ、生卵はお好みでご自由にお取り下さいとなっていて、並で500円の安さでした。

 数年前から、日本各地でご当地ラーメンブームですが、最近では日本のラーメン店が上海をはじめ中国に進出して好評を博しているそうです。

 ラーメンなるものは元を辿れば中国料理かもしれませんが、あちらが麺や具に重点が置かれているのに対して、日本のラーメンはスープ、それも鶏ガラや豚骨、あるいは魚介系のダシを長時間煮込んで得られるスープの出来が人気を左右する点が異なります。

 以前に、中国から来た漢方医(中医師)の方が日本でラーメンを食べて、豚骨ラーメンはおいしいと仰ってました(味噌ラーメンはお口に合わなかったようです)が、薬膳的に考えても豚骨の骨髄に含まれる栄養分は「精」を補充する作用が期待できますので、老化予防や強壮作用が期待できます(漢方では「精は髄を生じる」と言って、生命の根源物質である「精」から骨髄は生じるので、骨髄から得られたスープは文字通り“精がつく”と考えられます)。

 

 

2010年3月 3日 (水)

タラの白子の腐乳ソース

100224  タラの白子を蒸したものを白腐乳で味付けしたものです。腐乳は豆腐に麹を作用させて得られ、植物性のチーズとでも言えるもので、独特の発酵臭があります。沖縄の“豆腐よう”の原形とされています。

 麹の種類によって赤い色をした紅腐乳と写真の白腐乳の2種類があり、白腐乳の方があっさりとしており、野菜や魚介類と合わせられるのに対して紅腐乳は肉料理などに用いられることが多いです。

 さて、タラの白子はタラの精巣ですが、薬膳的には文字通り“精”のつく食べ物と言えます。漢方の概念では「精」とは、生命の根元的な物質とされ、肉体の元となる物質であり、更には生命の熱エネルギーの原料とも言える物質とされています。また、生殖の原動力であり、約2000年前に記された黄帝内経には精と精が合わさって新たな精が生じ、そこから生命が始まると記されています(有精卵や精力、精子、精巣、精神、精魂といった言葉もこういった概念を元にした言葉です)。

 また、人間の老化は即ち精の減少過程であり、精の減少を防ぐためにはタラの白子のような食べものでなくとも、食品中の最も栄養の濃い部分から精を補充することが重要とされており、その為には胃腸の消化吸収機能が正常に働くことが条件であり、このことから養生の基本は食養生となっているわけです。

 

 

2010年3月 1日 (月)

鹿肉の腸詰め

100224  自家製の鹿肉の腸詰めです。日本では鹿肉はあまり食べられませんが、フランスをはじめヨーロッパなどではよく食べられています。

 中国に於いて鹿と言えば、食肉と言うよりも、老化予防に重要な生薬である鹿茸(ろくじょう:春頃に伸びてくる角を硬くなる前に切り取り、血抜きをして乾燥加工したもの)を得る目的で大昔から飼育されてきました。また、鹿茸の他にも、鹿のアキレス腱(鹿筋)、尾(鹿尾)、ペニス(鹿鞭)なども滋養強壮目的の生薬として用いられます。更に、鹿の皮を煮て得られる膠(にかわ)は、上質の墨を作る時に欠かせないものとされています。

 鹿肉の薬膳的な効能も、五臓を補うとされているほか、鹿の骨も筋骨を強める作用があるとされ、薬用酒に用いるとされています。

 

2010年2月26日 (金)

芽キャベツと干しエビの和えもの

100224 芽キャベツはキャベツの変種で、キャベツそのものより味が濃く、甘みもありますが生では苦みが強いため煮物など加熱して使われることが多い野菜です。

  キャベツは薬膳的には胃腸を丈夫にする働きがあるとされ、胃薬(胃の粘膜修復を助ける)のキャベジンもキャベツから発見された成分です(別名:ビタミンU)。もっとも、薬膳的にというか漢方的に「胃腸を丈夫にする」とは、食べものの消化と吸収に関わる臓腑の機能を高めるという意味で、単純に粘膜を保護するとかいった作用を指すわけではありません。

 さて、キャベツそのものはアメリカのデザーナーフーズと呼ばれるガン予防に効果のある食物の上位にランクされています。また、近年、日本の研究者によって唾液中に発ガン物質を無毒化する作用のあるペルオキシダーゼという酵素が含まれているのが発見されています。よって、食べものをよくかんで(唾液を十分に分泌して)食べることは、それだけでも発ガンリスクを減らすことにつながります。尚、噛む回数については、玄米などでは一口100回とか言いますが、普通の食事では一口30回が目安です。

 

2010年2月25日 (木)

独活、西洋菜、筍の春巻き

100224  春巻きは、読んで字のごとく新春の食べもので、もともと旧正月に野菜を薄餅(パオピン)とよばれるクレープ状のもので捲いて食べる習慣から派生したものです。

 さて、写真ではわかりませんが、この春巻きの具は独活(うど)、西洋菜(クレソン)、筍(タケノコ)が使われています。

 独活(うど)は、食材としてはウコギ科の多年草の若芽の部分が利用されますが、漢方薬の世界では「独活」と書いて「どっかつ」と呼び、セリ科のシシウドの地下部を乾燥させたものを指し、独活寄生湯などの主薬として神経痛などに応用されています。

 また、西洋菜はクレソンのことで、今回は沖縄クレソンが使われていますが、クレソンは肉料理の付け合わせなどに使われるように、消化促進作用があるとされ、中華料理では生で食べるよりも、炒めものやスープなどの浮き身としても応用されています。

 

2010年2月24日 (水)

大根餅とエビ芋、タケノコの炒め煮

100121   大根餅は飲茶の定番メニューのひとつで、中国でも広東や台湾など南の方では正月(もちろん旧正月)には欠かせないものとなっています。

 日本でも正月七日にはすずしろの入った七草粥を食べる習慣がありますが、元を辿れば中国で七種の野菜の羮(あつもの)を食べる習慣が伝わったものとされていますので、すずしろの根っこと米粉の組み合わせである大根餅もそこから派生したものではないかと思います。

 また、米と大根といえば、日本人が長年親しんできた「ご飯とたくわん」でもあり、そう考えていくと大根は日本人には欠かせない食材と言えますし、大根とは何かといえば薬膳的には消化を助けてくれるもので、やっぱり日本人は昔から胃腸が弱かったんだろうと思います。