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2009年7月 9日 (木)

鶏肉団子の百頁包み

0623  写真ではわかりにくいですが、干し貝柱の入った鶏肉でできた棒状の肉団子を百頁(バイイェ:=布豆腐)で包んで蒸したものです。棒餃子の皮を布豆腐に置き換えて蒸したものと言った方がわかりやすいかもしれません。

 同様の料理で、野菜などとともにあんをかけた一品料理もありますが、今回は前菜の一つとして、このままタレもつけずにいただきました。

 ところで、“豆腐”の薬効としては、益気和中(胃腸を整えて気力をます)、生津潤燥(からだに潤いを与える)とともに、清熱解毒作用があるとされており、目の充血などにもよいとされてるほか、ものの本によると“焼酎毒”にも良いという記載があります。

 

2009年7月 8日 (水)

鴨の塩蒸し

0623  中華料理で「鴨」といえばアヒルの事です(正確には日本でいう鴨は“野鴨”で、アヒルは“家鴨”になりますが、食用には専らアヒルなので普通に“鴨”といえば家鴨でアヒルを指します。そもそもアヒルはカモを家畜化したものです。)。

 よくある蒸し鶏(白切鶏)よりも身に弾力があって皮の部分のゼラチン質もしっかりした食感です。

 また、薬膳的には鶏もアヒルも胃腸をはじめからだを元気にする働きがあるとされていますが、鶏は温める作用があり、アヒルは潤いをつける作用があるとされています。専門的にいうと鶏は“陽”を補い、アヒルは“陰”を補いますので、アヒルは胃腸の“陰”が不足している方に良い食材となります(胃腸の“陰”が不足している方の特徴は“唇の乾燥”です)。

 

2009年7月 7日 (火)

マナガツオの燻魚

0623  燻魚(シュンユィ)とは、一度油で揚げてから醤油ベースのタレに漬け、更にもう一度揚げることで燻製のように見えるもので、中華の前菜ではポピュラーな一品です。

 さて、マナガツオは本州中部以南から東シナ海などに分布する外洋性の魚ですが、夏場は産卵のために瀬戸内海などに入ってくることから、今が旬の高級魚として知られています。中国でも潮州料理で両面の皮の部分を煎り焼くか、素揚げにしてマヨネーズソースで食べるという料理がありますが、シンプルな料理ながら高級料理とされています。

 燻魚にしても、その潮州料理にしても、マナガツオならではのしっとりとした身と表面のカリカリ感の組み合わせが絶妙です。

 

 

2009年7月 6日 (月)

ナスの実山椒ソース

0623_2  夏野菜といえばトマトやキュウリなどみずみずしいものを想像しますが、茄子もその90%以上は水分でできており、薬膳的な効能としても、からだにこもった余分な熱を冷ますほか、むくみをとる作用などがあるとされています。

 また、ナスの皮の部分にはナスニンと呼ばれる強力な抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれており、動脈硬化の予防になるといわれています。

 近年の医学的な知見によれば、動脈硬化の原因は、活性酸素による血管の炎症が引き金になっているとされているほか、糖尿病や認知症なども血管の炎症との関連性が指摘されており、血管の炎症を抑える=抗酸化作用のある食べものの有用性が裏付けられています。

 もっと身近な例では紫外線による日焼けも活性酸素によるもので、日差しの強いインド原産のナスに強力な抗酸化作用があるのもなんとなくうなずけます。

 

2009年7月 2日 (木)

臓器移植法案~脳死について

 国会では臓器移植法案の審議が続いていますが、つまるところ「脳死は人の死か」が論点になっているようです。どうやら“臓器移植に限り”脳死を人の死とするという方向で調整が進んでいるみたいですが、誰しも迷うところが大きい問題といえます。

 脳死では人工呼吸器を使用しなければすぐに心臓が停止するとされているものの、脳死後も1年以上心臓が動き続けたという報告もあるようです。反対に脳死を人の死と認めない場合は、いつまでも人工呼吸器をつけたままの状態でいることが人間の尊厳を損なうのではないかという議論もあります。

 また、日本国内の腎臓透析だけでも年間に1兆円ものコストがかかっていたり、国内で臓器移植が進まないので海外で手術を受ける人が増えたりと、脳死が人の死かどうかという議論そのものよりも、とにかく日本国内での臓器移植をすすめたいという“圧力”が大きくなってきていることが反発を招いている部分もあるようです。

 しかしながら、この問題について漢方の立場から考えますと、やはり心臓が動いている限り人の死とは言えないと思います。そもそも、漢方の五臓六腑の中に「脳」は含まれていません。漢方の考え方では、「脳は髄の海」と呼ばれ、“精”という生命の根元物質から生じた“髄”が塊となっているところとされているものの、「脳」の機能としては顔にある目、耳、鼻、口がスムーズに機能するようにコントロールしているところと考えられています。

 あくまで漢方理論では、人間の内臓の中で最も重要なものは“五臓六腑の大主なり”とも“君主の官”とも呼ばれる「心」であり、「心」は西洋医学の心臓(血液を全身に送り出すポンプ機能)の機能の他に、精神神経機能をコントロールしていると考えられています。正に「心」=「こころ」という訳ですが、もうすこし詳しく言うと、人間には「魂(こん)」と「魄(はく)」があり、大雑把に言うと前者は大脳新皮質の部分を担い、後者は大脳旧皮質(本能的な部分)を担っており、この両者をうまくコントロールしているのが「神(しん)~“精神”や“神経”の“神”」であり、それが「心」に宿っているとされています。

 臓器移植が盛んなアメリカでは、心臓移植を受けた患者が、前の“持ち主”の性格や記憶も同時に“移植”されたかのような事例が数多く報告されているそうですが、このことは漢方理論と合致しています。因みに「魂」は「肝」に、「魄」は「肺」に宿りますので、心肺同時移植や肝臓移植では、前の持ち主の性格が移行しやすいのではないかと思います。

 と、ここまで考えてくると、脳死の問題よりも、漢方的に考えた場合、そもそも心臓や肺、肝臓を移植することが許されるのかどうかという問題になってきます。要するにこれらの臓器を移植することは、西洋医学の世界に置き換えた場合、脳を移植することと同じような意味を持つと考えられるということです。脳の移植が現代医学の技術で可能かどうかは知りませんが、一般的な感覚では他人の脳を移植したいと考える人はあまりいないのではないかと思います。

 

 

2009年6月30日 (火)

夏みかんのゼリー

0609 (中国食堂261さんのメニューより)

 夏みかんのゼリーです。最近は輸入物のオレンジを始め、国産の柑橘類でも甘さの強い品種が増えていますが、夏みかんのさわやかな酸味も捨てがたいものがあります。

 漢方の世界ではミカン科のダイダイなどの夏至前に収穫した未熟果実を(乾燥させたものを)枳実(きじつ)と呼び、おなかのつかえをとる生薬として用いられています。

 一般的に柑橘類の薬膳的な効用としては気の流れを良くしてくれるわけですが、食べものが胃から十二指腸→小腸→大腸へスムーズに流れていくのも気の流れです。

 よって、ストレスの影響で気の流れが停滞しがちになると(気滞といいます)、みぞおちやおなかが張ったり、消化管がギクシャクしてゲップやガスの発生、便がスッキリでないなどの症状があらわれやすくなります。よって、こういった症状に心当たりのある方はデザートに柑橘類をとることをお勧めいたします。

 

2009年6月29日 (月)

玄米のおこげ料理

0609 (中国食堂261さんのメニューから)

 高温の油で揚げた熱々の玄米のおこげの上から、熱いスープ状の野菜のあんをかけたもので、香りと“じゅわーっ”という音も楽しめる一品です。

 もともと釜に残ったおこげを利用していたので、おこげ料理と言われますが、最近ではご飯を板状にして乾燥させて作られた“おこげ”が市販されていたりします。

 さて、写真のおこげ(鍋巴:グォバァ)は玄米のおこげが使われています。マクロビでは、玄米は一口100回かんで食べろと言いますが、おこげ状態にしてから高温で揚げることでスープがしみ込みやすくなって、食べやすかったです。

 ところで、現代日本人は三大栄養素と呼ばれる糖質、脂質、蛋白質は過剰摂取傾向でビタミン、ミネラルが不足傾向にあります。特に体内の酵素反応やエネルギーの産出に欠かせないミネラル不足はからだの機能全般に影響しますが、戦後、日本人のミネラル摂取量は減り続けているようです。

 その原因としては野菜のミネラル含有量がどんどん低下していることと野菜そのものの摂取量の減少が大きいと言われています。また、昔は今ほど精白米を食べておらず、5分づきや7分づきのお米の割合が高かったことも背景にあるようです。(近年、玄米ブームのようですが玄米を食べられる時は、低農薬か無農薬のもので、食べる時には100回は無理でも一口30回以上しっかりとかんで食べるようにしてください。)

 

2009年6月26日 (金)

野菜団子の辛味炒め

0609 (中国食堂261さんのメニューから)

 一見すると肉団子に見える丸くて黒い塊は、野菜と穀物の粉を固めたベジ団子で、中は綺麗な緑色をしていました。

 お肉の代用品としては小麦のグルテンなどが一般的ですが、野菜や穀物の粉を固めた“肉団子”は初めてでした。グルテンに比べると弾力に欠ける部分もありますが、ちょっと辛めの味付けなので少しずつ食べていくと殆ど肉と変わらない食感でした(味付けが薄目で丸ごと口に入れたら違和感があったかもしれません)。さすがにマクロビオティックやベジタリアンメニュー対応可を標榜されているだけあって“技”を感じさせる一品でした。 

 

 

2009年6月24日 (水)

あわびの蒸しもの

0609 (中国食堂261さんのメニューより)

 生のアワビの蒸しものです。中華料理であわびといえば乾燥あわびが有名ですが、個人的には高価な乾燥あわびよりも生のあわびの方が好きです(少なくとも乾燥あわびの価格に見合うだけの価値を見いだせないと言った方が正確かもしれません)。

 さて、あわびのコリコリした食感はお肌の弾力成分でもあるコラーゲンとエラスチンによるもので、そのほか肝臓に良いタウリンも豊富に含まれており、薬膳的な効能としても養肝明目~五臓六腑の肝を養い、目を良くする~となっています。これは肝が目とつながっているという漢方の考え方によるもので、目の状態は五臓六腑の肝との関連性が強いとされています。また、肝に悪影響を与える要素としてはストレス、お酒、貧血、加齢(腎虚)などです。

  

2009年6月23日 (火)

子どもの健康と食育

 一昨日は、大阪市立生魂幼稚園のPTA成人教育講演会にお招き頂いて「子どもの健康と食育」という演題で話しをしてきました(話の内容は、例によってこのブログに書いているような事です)。

 全国的に学校の教育現場を中心として食育に関心が集まっている中、この幼稚園を訪問して、さすが食い倒れの街、大阪は“違う”と感じたこと・・・

・毎日が「弁当の日」・・・働いておられるお母さんも多いと思いますが、皆さん子ども達のお弁当をちゃんと作っておられる方が多いというか、意識は高いと聞きました。→大阪は“食いもん”に対する意識が強い!

・園庭に所狭しとプランターが置かれており、ピーマンやトマト、茄子、カボチャなどが育てられていましたが、稲まで植えてあったのには驚きました。→都会に於いては、子ども達に野菜やお米の生育状況を見せるだけでも食に関する意識が高まるし、自分たちで育てた野菜を食べた経験のある子どもは野菜嫌いになりにくい!

・大阪では家で「たこ焼き」や「お好み焼き」を子ども達と一緒につくりながら食べたり、冬場には鍋物やすき焼きなど、子どもの目の前でつくりながら食べることが多い。→小さい頃から食材や調理に親しみを持つ子供が多い!これに関しては、講演の後で園長先生から、ある家庭で子どもさんが日曜日の朝、お母さんが寝ている間に野菜サラダとトーストなど簡単な朝食を作ってくれて、そのお母さんが感激のあまり涙が止まらなかったというエピソードを紹介されていました。→「人のために料理を作る」ことは人間の本能的な部分に“感激”を生み出す→親が子どものために料理を作って与える行為の中にも、子ども達は本能の部分で感じるものがあるはず。豪華な食材や高価なものは必要なく、子どものために作っているという“気持ち”が大切。

 などなど。また、食育とは直接関係ないですが、最近は水道の蛇口もセンサー付きの自動タイプや、レバーを上げ下げするタイプが多くなっていて、幼稚園にある水道の“蛇口”をうまくまわせない子供が増えているというお話しも聞きました。世の中が高齢化しバリアフリー化が進むと一方でこういった問題も出てくると言うことのようです。