ブログ powered by TypePad

2010年3月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

« 2009年11月 | メイン | 2010年1月 »

2009年12月

2009年12月29日 (火)

来年は庚(かのえ)の寅(とら)年

 本年も残り少なくなってきましたが、恒例の来年の干支の解説です。干支と書いて「えと」と読みますが、「干」は木の“幹”で甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類、「支」は木の“枝”を表し、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種類で、甲と子、乙と丑といように順番に組み合わされ、全部で60種類あります。

 さて、今年は己(つちのと)のtaurus丑(うし)年でしたので、来年は庚(かのえ)のdog寅(とら)年になります。「庚」という字は「更」→「硬い」という意味に通じ、植物の茎が硬くしっかりと成長していく様を表すとされています。また、「寅」という字は甲骨文字ではまっすぐに伸びた矢の形で、意味するところは植物がすくすくと伸び始める様子を表しています。

 よって、「ホンマかいな?」という気がしないでもないですが、来年はものごとがすくすくと成長し始める年という意味になります。

2009年12月28日 (月)

過度の飲酒は乳ガンのリスク要因

 日経新聞の報道によりますと、このほど厚生労働省の研究班がまとめた大規模疫学調査の結果、1週間にビールに換算して大瓶7本以上飲む女性はお酒を全く飲まない女性に比べて乳ガンになるリスクが1.75倍に高まるそうです。

 もともと漢方理論では乳ガンは五臓六腑の「肝」と関連性が強く、「肝」に悪影響を与える因子としては精神的ストレスや過度の飲酒などが考えられていますが、今回の調査結果はそういった漢方理論とも合致します。また、西洋医学的にも乳ガンは肝臓に転移しやすいとされていますので、今回の調査結果ともなんらかの関連性があるのかもしれません。

 因みに、精神的なストレスとしては「怒」というタイプのストレスが「肝」に最も影響を与えるとされていますが、「怒」とはもともと「奴」の「心」を表し、自分ではどうしようもないことに対してイライラするというタイプのストレスを指します。また、こういったストレスが「肝」に影響すると、女性では生理前に胸が張る、生理痛などの症状が出るほか、男女を問わずゲップやガス、便通の悪化などの症状が出やすくなります。

 漢方のカウンセリング療法では、このタイプのストレスをほぐすには感情的に涙を流すのが最も有効であるとされていますが、「怒」というタイプのストレスにさいなまれている方は自己防衛反応で、涙もろくなる傾向が見られるようです。また、食べものでは「発散」させる働きのある辛い味のものを好むようになりますが、胃腸が弱い方にとっては唐辛子やニンニクの摂りすぎはからだに良くありませんので、薬膳的には辛いという味で胃腸にもやさしいハッカ類(ミントなど)をお勧めします。更には、気の巡りが滞らないように適度な運動や気功、太極拳などもお勧めです。

 

 

2009年12月24日 (木)

米薫童鶏

1216  クリスマスシーズンになるとアメリカでは七面鳥、日本でもローストチキンがスーパーなどで売り出されますが、写真は若鶏を香辛料の入った塩水に漬けてから乾かし、米、蓮の葉、八角茴香などでスモークし、最後に高温の油で揚げるといった手の込んだものです。

 ところで中華料理の香辛料として欠かせない八角茴香ですが、最近になって一挙に2倍程度に価格が急騰しているそうです。もともとデフレ経済の日本を尻目に毎年二桁近い経済成長を見せる中国のインフレ傾向が背景にありますが、八角茴香に含まれるシキミ酸という物質がタミフルの原料になることが最大の理由とされています。

 タミフル自体は化学的に八角茴香が無くても合成することは可能だそうですが、八角茴香からシキミ酸を精製して、それから合成する方が安くつくそうで、当分、八角茴香の価格は下がりそうにありません。

 尚、一時期、八角茴香自体がインフルエンザに効くという噂が広まったことがありましたが、おなかを温めて抵抗力を高める作用は期待できても、インフルエンザに対する直接的な効果は期待できません。

2009年12月22日 (火)

小豆入りベイクドプリン

1126 (福臨門魚翅海鮮酒家大阪店のメニューより)

 このお店のマンゴープリンは有名ですが、寒い時期にはこのベイクドプリンがお勧めです。

 香港の飲茶メニューでも、エッグタルトと共に、この温かいプリン(布丁)はポピュラーですが、古くからの英国の影響によるところが大きいと思います(エッグタルトはマカオ~ポルトガルの影響)。ただし、東洋らしいアレンジとして中に小豆やタピオカが入っており、これらの素材とカスタードが程よくマッチしており、もはや中華料理の一品といえると思います。

 ところで小豆は、おはぎやぜんざいなど和風スイーツには欠かせない食材ですが、薬膳的効能としては利尿作用があるとされるほか、赤い色の色素はアントシアニンで活性酸素を除去する作用が強く、美容面などでのアンチエイジング効果も期待されます。

 

 

2009年12月19日 (土)

干し鮑の煮汁入り炒飯

1126  (福臨門魚翅海鮮酒家大阪店のメニューより)

 福臨門さんは高級広東料理のお店だけあって干し鮑を大量に使われるようで、干し鮑をもどす時に出る煮汁を有効活用した炒飯です。

 炒飯の具としてはシンプルに玉子と鶏肉ですが、ここへ咸魚(はむゆぃ)と呼ばれる中華風のアンチョビのようなものが入ると、香港でポピュラーな咸魚鶏粒炒飯(はむゆぃがいらっぷちゃぉふぁん:広東語読み)になります。

 炒飯は今や日本でも普通に食べられるメニューですが、はっきり言って日本のお米ではなかなかうまく作れません。これは、日本のお米の粘度が高い為ですが、反対にいうと中国のお米は冷めるとパサパサになってしまうので、炒飯やお粥という食べ方が広まったと言えます。日本では、おにぎりやお弁当のようにお米は冷めても食べられるだけに、日本人の食習慣の中に“冷めたものでも平気で食べる”という諸外国では一般的とは言えない食文化が根付いたわけです。

 それでも昔の日本人はおなかを冷やすのはからだに良くないことがわかっていたので、薬味と呼ばれる生姜などを活用したり、冷めたものを食べた後に熱いお茶やみそ汁をのんでおなかを冷やさないように工夫していたのですが、現代ではそういった部分が忘れ去られ、冷蔵庫の普及などもあいまって飲食物の温度が世界一冷たいのではないかと言える状況になっています。

 別に冷たいものを飲んだり食べたからといってすぐに病気になるわけではありませんし、それで健康なら問題はないのでしょうけど、漢方的に見ると今や国民病とさえ言える花粉症機能性胃腸障害の大きな要因となっています。

2009年12月18日 (金)

梅に「胃ガン予防と血糖値上昇抑制」作用!

 朝日新聞の報道によりますと、和歌山県みなべ町と奈良県立医大などとの共同研究の結果、梅に含まれるポリフェノールの一種に胃ガンの原因となるピロリ菌を抑制する働きがあることや、やはり梅に含まれる他の物質に食後の高血糖を抑える働きのあることがわかったそうです。

 これまでにも、梅には食中毒の原因となるような細菌の殺菌効果は知られていたほか、ムメフラールという成分の血液サラサラ効果やクエン酸による唾液分泌促進やエネルギー代謝向上など数多くの健康に役立つ効果のあることが知られていましたが、今回、更なる効果が科学的に裏づけられた訳です。

 日本では、梅干しや梅肉エキスは古くから親しまれてきましたが、もともと胃腸が弱く、湿度の高い環境で生活している日本人にとって、唾液の分泌を促進して消化力をアップし、更に胃の中のピロリ菌や食中毒の原因菌を殺菌してくれる訳ですから、もっと見直されるべき食材のように思います。

2009年12月17日 (木)

蟹粉豆苗

1126  (引き続き、福臨門魚翅海鮮酒家大阪店のメニューから)

 豆苗(エンドウ豆の葉っぱ)の上に上海蟹のカニミソと身をほぐしたもの(蟹粉)が、あんとしてたっぷり載せられています。

 上海蟹といえば、家庭では姿蒸しが定番ですが、レストランのメニューとしては写真のようにカニミソと身をほぐしたものを使った料理が主となります。中でもしっとりしていて柔らかい豆苗との組み合わせは定番メニューのひとつです。

 さて、上海蟹の濃厚なカニミソは滋養作用があるものの、おなかを冷やすといわれており、上海蟹料理には生姜茶がつきものになっています(日本でも蟹を食べる時は三杯酢におろし生姜が組み合わせられます)。因みに、エビやカニを食べるとアレルギーを起こしやすいという方には、紫蘇の葉(大葉)を一緒に摂るとアレルギーを起こしにくいと言われています(あくまで軽度のアレルギーについてであり、紫蘇の葉を食べれば絶対にアレルギーを起こさないと言うわけではありません)。

 

 

2009年12月14日 (月)

蒜蓉扇貝

1126  (引き続き、福臨門魚翅海鮮酒家大阪店のメニューから)

 細かく刻んだニンニクをローストしたものを新鮮なホタテ貝柱の上に載せて蒸し上げたものです。貝以外にも、海老や伊勢海老(龍蝦)などを同じようにニンニク(大蒜)と蒸しあげる料理は広東料理の得意とするところです。

 さて、ニンニクですが、薬膳的な効能としてはおなかを温め消化を促進するほか、虫下し的な効能もあるとされています。また、アメリカでまとめられたガンの予防に効果のある食品群~デザイナーフーズの中で、ニンニクはトップに挙げられています。

 ただし、いくら身体に良い食材だからと言っても、温性ですので、普段からのぼせ症の方にとっては、ほてりやのぼせが強くなる恐れがありますし、ニンニクを食べると胃が痛くなるという方は、まず胃腸を丈夫にすることから始める必要があります。

 

2009年12月11日 (金)

金鶏の揚げもの

1126  (福臨門魚翅海鮮酒家 大阪店のメニューより)

 福臨門名物の一つ、金鶏を表面はカリカリ、中はしっとりと揚げてあります。この料理に使われる鶏は、広東の地鶏の一種で、龍崗鶏(ろんこんがぁい:広東語読み)と呼ばれるものですが、奥深い滋味というか味わいがあります。聞くところによると、福臨門さんでは、この鶏を広東から持ち込んで、日本の農場で育てているそうです。

 鶏肉は薬膳的には滋養効果が高く、胃腸虚弱や軟便、頻尿、病後の体力回復などに良いとされ、香港などでは丸鶏の濃縮エキスが調味料ではなく、健康食品的に販売されたりしています。

 ただし、その効能は自然の中で育てられた地鶏にはあっても、抗生物質やホルモン剤など薬漬けで育てられるブロイラーには期待できるものではないと思います。

 

2009年12月 9日 (水)

蝦子海参

1126 (福臨門魚翅海鮮酒家大阪店のメニューより)

 蝦子(シャァズ)とはエビの卵を乾燥させたもので、海産物特有の風味があり、中華料理では調味料の一つとして用いられており、特に写真のナマコの煮込み料理にはつきものとなっています。

 海参(ハイシェン)とはナマコ(乾燥ナマコを時間をかけてもどしたもの)のことで、身体を元気にする作用があり、まるで海の人参(薬用人参)という事からそう呼ばれています。

 乾燥ナマコにはいくつか種類がありますが、香港や広東では写真のような大振りで柔らかいタイプのものが好まれ、北京料理などでは黒っぽいものが好まれるようです。ナマコの薬膳的な効能としては“補腎益精”“養血潤燥”となっており、滋養強壮作用のほか、血を補ってお肌や呼吸器に潤いを与えるとともに乾燥性の便秘にも良いとされています。

 

2009年12月 8日 (火)

金華ハムとフカヒレのスープ

1126_3  (引き続き、福臨門の大阪店のメニューから)

 広東料理の上湯(しょんとん:広東語読み)スープにフカヒレと金華ハムが薄切りにされたものが載っています。

 このお店の上湯スープは金華ハム、老鶏、豚肉を長時間煮て得られる旨味たっぷりの濃厚な味で、更に金華ハムが載せられており、一口すすった時には一瞬化学調味料たっぷりかと錯覚するほどでした。しかし、化学調味料特有の後味も全然なく、後になって口が渇くこともなかったので、自然のダシの味だと思います。

 おそらく世界3大ハムのひとつに数えられる金華ハムからのダシの味の影響が強い為と思われますが、考えてみれば旨味成分を追求して作り出されたのが味の素などの化学調味料ですので、化学調味料を使わずに化学調味料と同じような味になるというのはそれはそれですごいことのように思います。

 化学調味料は旨味成分を純粋な形で合成して得られるものですが、自然界にはそんなに純度の高い状態で存在しているわけではなく、その不自然さが、チャイニーズレストランシンドロームと呼ばれる化学調味料による口渇や頭痛の原因になっていると思われます。また、こういった事は新薬と生薬や漢方薬との違いにも見られ、植物に含まれる有効成分だけ(即ち、新薬類)を服用した場合に、生薬や漢方薬として服用した時に比べて副作用が大きくなる傾向にあります。

 “自然でない行いは、自然でない混乱を生む”とは、かのシェークスピアの言葉ですが、特に現代社会の食に関して、しみじみそう思います。

 

 

2009年12月 7日 (月)

広東料理の前菜

1126_2                          

                     

                    

                   

                    

                     

                      

                    

                       

                      

                                                         

                                                                                 

  (香港に本店がある福臨門の大阪店のメニューより)

 広東料理といえば飲茶や海鮮料理などが有名ですが、叉焼(チャーシュー)や子豚の丸焼きなど“焼き物”も得意としています。

 写真のお皿の左側に見える、アヒルのローストや、表面をカリカリにローストされた皮付きの豚バラ肉などが、広東料理ならではの“焼き物”です。日本では豚バラ肉でも皮付きのものは殆ど売られていませんが、中華料理に於いてはバラ肉の皮の部分こそ最重要部位でもあります(東坡肉(トンポゥロゥ)も皮付きでないと煮崩れてしまいます)。

 漢方の世界でも、豚の皮と米粉、ハチミツでできた猪膚湯(ちょふとう)と呼ばれる処方が約2000年前の傷寒論に載っており、体力の弱い人の慢性の下痢やのどの痛みに有効とされています。そのほか、豚ではありませんが、ロバの皮を煮詰めて得られるゼラチン質を阿膠(あきょう)と呼び、血を補いからだに必要な潤いを与える作用があるとされています(阿膠は知る人ぞ知る、女性を美しくする生薬製剤“婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)”にも入っています)。

 

 

 

2009年12月 4日 (金)

黒米とキノコの炊き込みご飯

1112  黒米は糠の部分が紫色がかった黒い色(ブルーベリーなどで有名になったアントシアニン系の色素の色)をしているのが特徴で、中国では古くより栽培され、生命の根源とも呼ばれる五臓六腑の「腎」を補う作用があるとされています。

 漢方の考え(五行説)ではは「腎」の色で、季節では「冬」ですので、冬の養生法として黒豆や黒胡麻なども摂ると良いとされています(黒豆など黒い食材を5つ集めて「黒五」と称するものがありますが、もちろん薬膳的には「腎」=「生命の根源」を養うという意味があります)。

 また、キノコ類にも「腎」を補う作用があり、「腎」の不調~腰や膝のいたみや、頻尿、あるいは免疫力の低下など~がでやすいとされる冬の季節にはぴったりの一品です。

 

 

2009年12月 3日 (木)

醋溜什錦

1112  百合根(ゆりね)、蓮根、薩摩芋などを、お酢をきかせたあん(醋溜)でまとめた五目野菜炒めです。

 さて、百合根は関西で特に好まれる食材ですが、古くより漢方生薬としても用いられており、その薬効としては五臓六腑の「肺」に潤いを与え、空咳などに有効なほか、鼻や口、お肌の乾燥にも効果があるとされています。また、インフルエンザなど高熱を伴う病気の後にからだがすっきりせず、動悸や焦燥感、不眠などの症状が見られる時にも用いられます。

 前回紹介した鴨肉もそうですが、漢方では口やお肌の乾燥に対しては水分を補うことよりも、からだのもつ水分保持能力を回復させることで潤いを取り戻すことを目指しますが、百合根もそういった効能を持つ食材の一つです。

 

 

 

2009年12月 1日 (火)

鴨肉と下仁田ネギの醤油炒め

1112  鴨が葱を背負ってやってくる~カモネギという慣用句があるほど、鴨とネギは相性が良いとされています。

 また、中国では、鴨(=家鴨=アヒル)がおいしくなるのは、重陽節(旧暦の九月九日)以後といわれていますが、鴨(アヒル)の薬膳的な効能の一つとして滋陰作用~からだに潤いを与える作用があるとされています。

 秋から冬にかけてお肌や鼻やのど、口なども乾きやすくなりますが、漢方では、乾燥したからといって水分を補給すれば良いという考え方はしません。スポーツなどで一時的に失われた水分は補給すべきですが、歳とともに進む“潤い不足”に対してはいくら水分補給しても解決しません。それは“潤い不足”の根本原因が水分の不足ではなく、正確に言うと“水分保持能力の不足”だからです。

 人間は老化と共に内臓を始め様々なところが萎縮していきますが、この時、諸機能の低下と共に水分保持能力も失われていきます。この状態を漢方では陰虚とよび、滋陰作用のある処方で徐々に水分保持能力を回復して、結果的にお肌などの潤いを回復していくことを目指します。

 前置きが長くなりましたが、鴨の薬膳的な効能である滋陰作用もそういった作用であって、言葉をかえればアンチエイジング作用があるとも言えます。