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2012年2月 9日 (木)

牡蛎入り打鹵麺

20120126  牡蛎は海のミルクとも称されますが、栄養面で特筆すべきは亜鉛や銅といったミネラルが豊富に含まれていることです。また牡蛎に含まれるミネラルは、胃腸に負担をかけずに吸収されやすいという特徴があります。

 加工食品や冷凍食品が全盛の現代において、カロリーは足りていてもミネラル分の不足が叫ばれていますが、このことを漢方的に捉えると、全身を流れる血の不足(血虚)だけでなく、気の流れの停滞(気滞)や不足(気虚)にもつながり、そのことが胃腸をはじめとした消化吸収機能の低下につながり、更にミネラルやビタミンの吸収力が低下するという悪循環に陥ります。

 牡蛎の薬膳的な効能は、正に気血を補うとともに流れを良くすることで、特に女性の美顔や美肌に良いとされています。よって、牡蛎は胃腸が弱くて疲れやすい(気虚)、血液が少なめでお肌が乾燥しやすい、くすみやすい(血虚)といった体質の方にぴったりの食材です。

(※打鹵麺(ダールーミェン):山東料理(北京料理)。胡椒のきいた餡かけ麺です。)

 

 

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牡蛎入り打鹵麺を参照しているブログ:

コメント

はじめまして。家庭にある材料で中国料理をつくるのを趣味にしている者です。24歳の学生です。
検索で貴ブログに辿り着き、以来半年ほど、料理のアイディアの参考にさせていただいています。ネット上には無数のレシピサイトもあるのですが、こちらの一流のお料理の、食材の組み合わせ方や調理方法、季節に適った料理や漢方上の効果など、いつも大変参考になります。
それと、食生活上の西洋的な考え方に対する批判的な視点、とくに日本が歴史を捨て去ってあるいは忘れて、それを無自覚に受容していること(さらには日本的に変質させていること)への厳しい眼差しによって書かれた記事は、私もいつも頷きながら読んでいます。
これからも更新を楽しみにしています。マメな更新は大変でしょうが頑張って下さい!

一つ質問があるのですが、どこで聞いたらよいものか分からなかったので、マルヘイ薬局さんにお聞きします。
中医学と漢方の、近代以降の変化についてです。新聞やネット上の雑誌を読んでいると、中医学は、近代の欧米圏との邂逅以降、西洋医学を伝統的な中医学に取り入れつつさらに独自に変化発展してきて、一方で日本の漢方は、常に原典に帰りつつ、自身を変えることなく、西洋医学とうまく住み分けしてきたような、そんな印象を持ったのですが…このような理解は間違いでしょうか?
日本では、旧暦にしても言葉にしても、漢方も含めた中華文化的なものを国家が虐げつつ、人間の方でも自ら忘れていった(と私は思うのですが)という歴史がある事情もあるのかもしれないとも思うのですが…北京で中医学のテーマパークのようなものができる話、公園や学校教育でも太極拳に励む姿、「『本草綱目』(でしたっけ?)に基づいた処方を守っております」と大書してある日本の市販漢方薬、漢方と言えばそのようなものしか顧みない人々…などを見るにつけ、このように感じてしまいます。
中医学と漢方についての上記の印象が大体合っているとすれば、漢方は今後どのような道をゆくと考えられますでしょうか?近年になってようやく、日本でも国家が漢方を医療行為として是認したような新聞記事を、一年ほど前に読んだ記憶があるのですが…日本の漢方も、漢方の伝統と歴史を継承して、独自に育っていくことができるとお思いになりますか?私は、何年先か分かりませんが、中国との現在のような文化交流状態が改善したのち、中医学の体系を、また一から輸入しなおすことになる(つまり漢方は絶滅するか、市販薬としてしか生き残れない)ような気がするのですが…
つたない文章ですみません。コメント欄では長くなるようでしたら、記事の方でいつか教えて下さっても結構です。

tomoさん、ご愛読ありがとうございます。

 さて、ご質問の「中医学と漢方の近代以降の変化」についてですが、何回かに分けてアップさせていただきます。

 個人的には「中医学」とは有史以来の中国発祥の伝統医学を指すものと考えていますので、漢方といっても中医学の一部だとの認識です。

 ただ、中医学という言葉を日本に於いて漢方に対比させていう場合には、中華人民共和国成立以降に近代的な学校制度の中で中医師を養成するためにまとめられた理論体系に基づくものを指すようです。

 日本の漢方は江戸時代に傷寒論など漢の時代の処方を中心にして日本独自に発展したものとも言えますが、明治政府が脱亜入欧政策のもと漢方を否定し、西洋医学一辺倒になったことで、社会の片隅に追いやられ、昭和40年代くらいまで細々と漢方薬局やごく一部の医師などによって受け継がれ、その後、服用しやすいエキス剤の開発や医療用として一部の処方が保険適用されたことなどから現在のように広く使われることとなりました。

 ただし、医療用の漢方薬の使われ方をみていると、データをもとにした西洋医学的な効能を前面に出した使われ方が多く、本来の漢方の考え方で使用されるケースは少数派となっています。これはメーカーの都合もありますが、日本の医療制度に於いては、病名で薬を投薬することが当たり前になっており、漢方薬であっても漢方医学的に使用されている割合は極めて低いのが現状です。

(以下、続く)

 

 前回の続きですが、「漢方は今後どのような道を進むか」について。

 善し悪しは別にして、現実問題として保険適応の漢方処方は、今後は経済的に成り立たなくなっていくので、縮小傾向が強まる流れになっていくと思われます。理由は全く経済的なもので、漢方薬の原料のうち80%以上を占める中国産生薬の価格が上昇傾向を強めており、政府が決める薬価では採算がとれなくなるからです。

 OTCと業界で言われる一般的に販売されている処方は、今後も値上がりは避けられないものの、中医学的な処方も含めて認可される処方数は増えてきており、こちらは今後も残っていくと思われます。

 ただし、現状に於いても医療用医薬品に占める漢方製剤のシェアは1%程度ですし、OTC市場に於いても実質数パーセントにしかすぎないのが現状です。

 日本独自の漢方か中医学かという問題は、今後は中医学の方が広まっていくとは思いますが、前回も申し上げましたように根本的には、日本漢方の考え方や処方といっても、広い意味での中医学の一部であるという考え方が主流になっていくと思われます。そういう意味では日本漢方も十分生き残っていくものと思います。

 もうひとつ最近の問題として、生物多様性条約の問題とも絡みますが、中国が国を挙げて中医学を国際標準化しようとする動きもあり、この動きに対しては縦割行政の日本政府として対応に遅れをとっているものの、日本漢方の独自性をアピールしていく動きもあります。(→ http://kampo.tr-networks.org/sr2009/index.php/output/meeting080210overview/ 

 また、根本的な体質面の陰陽の歪みは個人個人の体質にあった中医学的な処方で改善しつつ、対症療法としての西洋医薬を組み合わせるといった中西医結合と称される手法に於いては、中国の方が教育面を始め進んでいる部分が大きく、今後も進化していくものと思われます。日本では一部の漢方に詳しい医療施設を除いては、メーカー主導で西洋薬が無効な症例に病名投与的に漢方薬を機械的に投薬するといった段階にとどまっており、こういった格差は今後も縮まることはないと思います。

 まあ、大体こんなところで、tomoさんの質問に対してお応えしているかどうかは疑問ですが、ご質問があればご遠慮なくどうぞ。

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